008公演アンケートへの回答

回答が遅くなりまして大変申し訳ございません。



この度は008「全力疾走」にご来場いただいただけでなく、

アンケートにもご協力いただき、誠にありがとうございました!



公演アンケートにご記入いただきました質問に、

劇団員より回答させていただきます。



また何か気になる点などございましたら、お気軽にご意見ご感想いただければ幸いです。







Q:劇団の方に質問です。演劇とコントの違いってなんでしょうか?

A:回答(作・演出5人)


■大河内
コントは「気軽な演劇」だと思います。

とは言っても、気軽に感じるかどうかは観る側の主観で、本質的な違いは無いので、



作り手として気軽に観ていただきたい場合はコントと銘打つ、

それくらいのものだと思います。



■大島
お芝居を作っていく作業の中ではあんまりこういうことは考えられないので、
今回改めて考えてみました。


台本の面では違いがあり、演技・演出の面ではほぼ違いがないと思っています。


台本の面では、「何かしらお客さんに訴えたいことがあるもの」を演劇、
「特段訴えたいことはないもの(≒只々笑いを取りに行くもの)」をコント、
と位置づけていますね(あくまで大島が考えている位置付けですよ)。


「いろんなところに神父さん」はコントの位置付けで書いています。


演技・演出の面では、どちらも「どうすればその台本の面白さをお客さんに伝えられるか」
が大切だと思っていて、演劇・コントとも同じアプローチをしていたりします。

■小林
演劇はテーマを自由に設定できるもの。
コントは「笑い」自体がテーマになっているもの。


もう少し具体的に言うと、


「明確なストーリーがあって、演出とかセリフで笑わすタイプは演劇に近くて、
 全体の構造やシチュエーション、衣装、小道具などで笑いを取る事を追及したものがコントになる」


…のかなと、漠然と思っています。
だるいはその辺りをあまり厳格に線引きしていないので、
結果的に毎回バラエティに富んだものができるのかもしれません。


■佐溝
演劇も好きだし、コントも好きだが、
演劇を語る奴は嫌いだ。


…真面目に回答すれば、
コントでは必ず笑いが要求されるが、演劇はそうではないとか、
上演時間がコントの方が比較的短いなんてのが違いとしてはあげられると思います。


が、一般論すぎて面白くないので、
僕が演劇を書いていると思う時とコントを書いていると思う時との違いを書きます。


最近、コントを書くときには、「一行でコンセプトが説明できる」ことを強く意識しています。
たとえば、「酔っ払いがいっぱい出てくる話」とか「舞台上に出てくるたびに服が脱げていく話」とか。


他方、演劇をやってるかもしれないな、と思う時は作品をつくる場合は、
「一行のコンセプト」以外の要素を入れています。


笑い以外の「わかる人にはわかる」要素を入れているときや、
裏のテーマとか、こういう空気を作りたい、など。


別な切り口から考えると、「笑い」を目的に、
その手段として「場」「空気」や「状況」を作っていくのがコントで、


逆に「場」「空気」など描きたいものがあって、
その手段として「笑い」を入れていくのが演劇、


というような切り分けを自分の中ではしているかもしれません。


■中野
非常にグレーですが、
コントは笑いさえ取れればよい。


話としてのつじつま、笑いの奥に隠されたメッセージ、なんらかの一貫性がなくともコントではある。
演劇というのは、そういう笑い以外のエッセンスも多分に必要とする。
とはいえ、メッセージの何もない演劇もあるし、メッセージが隠されたコントもある。
ですが、「メッセージ」の有無というのは、ひとつの判断要素となると思います。






Q:『全力疾走(前編・後編)』のネタはアドリブで、役者本人が随時考えていたのですか?

A:回答(作・演出)


■大島
完全にアドリブですねー、と言いたいところですが。


まあ、少しは準備しているものが入っています。
その場のアドリブもありつつ、準備したオモローもありつつ。


ただ、準備したものだからって笑いがとれるわけではないんですよね。
ああいう笑いって本当に「ナマモノ」で、昨日笑いがとれたものが、
今日は全然かすりもしなかったりして、個人的には面白かったですね。






Q:ラップ国会の歌は皆さんで考えたのですか?

A:回答(作・演出 大河内、作曲 大島)


■大河内
ラップの歌詞(リリック)は大河内が大体考えました。
曲(トラック)については大島より回答します。


★苦労した点
リリックを作るにおいて一番気を使ったのは、やはり韻を踏むこと(ライム)です。


昔、ダジャレを主体としたコントを書いたことがあったのですが、
ライムは音節の数にも気を使うので、その点はより難しかったです。


基本はダジャレを考える作業と同じなのですが、
思いつかないときはネットの辞書で逆引き検索(最後の音で検索)ができるので、
時々お世話になっていました。ITは偉大。


台本の締め切りが迫っているころは日常生活がライムに浸食されていき、
ラッパーって本当大変だなと思いました。


■大島
ラップ国会は、歌詞が大河内、曲が大島が中心となり作っています。


★苦労した点
大島の担当した曲の部分では、「ラップのパート」、「お芝居のパート」ともに、
大河内のイメージをきいて作っています。


たとえば、「与野党の論戦は続く」というパートでは、
舞台の上手・下手に分かれて与党と野党がラップバトルを繰り広げるのですが、


このときの音楽は「攻撃的なイメージ」。パッときいた感じは同じ音楽が続いて、
「論戦のシーン」が切れ目なく続いていることがお客さんに伝わるようになっているのですが、


実はこっそり「与党のドラムパターン」と「野党のドラムパターン」を分けていて、
論戦の中でも若干雰囲気が変わるように工夫していたり、何気にいろいろやっていたりします。






以上になります。
ご質問いただいた皆様、ありがとうございました!
今後とも、劇団だるいをどうぞよろしくお願い致します。