だログ。

佐藤史弥と申します。
今回、役者として参加いたします。
よろしくお願いします。

小学生のとき、当時大流行だったバラエティ番組にあやかって「未成年の主張」という企画が学校のレクリエーション大会で行われました。
内容を簡単に説明すると、学校の屋上に代表者が立ち、全校生徒が校庭から見上げるなか、思い思いの主張をシャウトをするという趣旨の、目立ちたがり屋バンザイな企画です。

各クラスから一人ずつ代表が選ばれるなか、僕は(たしか)5年2組の代表として選ばれ、当時独身であった先生への謝罪という名目のウィットに富んだユーモアをかましました。
校庭(実際は危険なので体育館だった)の生徒たちは大ウケしました。

「勝ったな」

という優越感とともに、僕は壇上から下りました。ほんとうに抱腹絶倒の、ウィットに富んだ、ユーモアだったのです。
その後、同じ学年のもう一人の代表として女の子が壇上に立ちました。その子は普段とても大人しく、とても目立つようなことをすすんでしない子でした。
そして彼女は、こんな主張をしました:

「私は時々考えます。鳥になって大空を飛べたらなって。風になってどこまでも行けたらなって」

もう十数年前のことなのでうろ覚えですが、たしかこんな内容だったと思います。そう、今はやりの「想像の翼」です。
普段大人しい子が朗々と語った内容は正直言って場違いで、生徒たちはポカンとしていました。
僕もニヤリとしながら、「やはり勝った。ぼくのウィットに富んだユーモアには最強だ!」と優越感に浸っていました。

しかし、最近になって思うのです。
本当に勇敢だったのはどちらなのかと。
生徒たちにポカンとされることを予想してたにしろ、していなかったにしろ、普段人前に出るのが苦手だった子どもが、どれほどの思いでその壇上に立ったのか?

浅はかな笑いばかりにこだわっていた当時の自分が恥ずかしく、苦い記憶として今でも残っています。

劇団だるいはそんな僕の浅はかさを凌駕した、真の意味で、ウィットに溢れたユーモアを提供します。

ご期待ください。